フジゲンカスタムハウス オンラインストア

通常オーダーでは、ご選択肢にない1ピースボディの特別なEXPERT OSが入荷して参りました。標準仕様のオーダースペックではアッシュボディはセンター2ピースとなっておりますので、大変贅沢な木取り方法ですね。もちろん2ピースが悪いという訳ではないのですが、楽器として求められる品質での1ピースボディとなると中々取れず、コストや希少性もあって、「これ、1枚の板で出来てるんですよ」と聞くとついつい注目度が上がっちゃいますね。

個人的にこのギターの最大の拘りはルックスです。1ピースということで木目を見せるシースルーカラーにすることが一般的に多いように思いますが、今回はあえてつぶし(木目の見えない)カラーに挑戦しました。ただし折角の1ピースなのでただつぶしてしまうのは、あまりにも惜しいので、どうしようか迷っていましたが、アッシュ独特の荒く力強い導管を埋めきらない(通常は埋めて綺麗な塗装面をつくります)オープンポア仕上げにしました。そのお陰で遠目にはつぶしカラーに、光の当たり方や近くで見ると1ピースらしい木目を感じられるという、ちょっと不思議で特別な1本になりましたよ。またカラーはパステル系のグリーンにして、あまり他では見ないようなユニークなギターになりました。先程、迷ったといいましたが、実はこのカラーとオープンポアの組み合わせは僕が前からやりたかったカラーの一つで、迷っている期間中に材を見る機会があったので、これしかない。と投入しちゃいました。完成形は思ったよりも色がハッキリとしていましたが、これはこれで独特のキャラクターがあって良いですね。そういえば一部スタッフからはこのギターは“野口カラー”といわれていましたが、あまりにも…なので別のカラー名にしていますので、どうぞご安心下さいませ(笑)

サウンドでは、1ピースだから2ピースと違い、材が分かれてないので一般的に、より鳴る！というようなイメージもあると思いますが、個人的にはしっかりと加工された2ピース程度でしたら、そこまで遜色なく鳴ってくれているように思いますし、むしろ重量などによる個体差の方が鳴りに関しては影響が大きいのではないかと思います。じゃあ、このギターは鳴らないの？と言われると、そうではなくてですね。今回の個体ズバリ3.1キロ(実際には僅かに切るほど)となっており、このデザインのギターとしては大変軽量な個体で、当店で取り扱っているセミアコモデル“MSA”に迫る程となります。その為か弦の振動に対してボディがしっかりと応えてくれるように鳴ってくれるので、他の同モデルに比べて、そのサウンドは倍音成分豊かで開放感があり、柔らかく優しく響いてくれる印象です。また、上記のオープンポア仕上げの場合、木の導管を埋めきらないのでボディの周りを固めすぎないところにも、このサウンドの秘密があるのかもしれませんね。木取だけの影響とは言えないかもしれませんが、まさに1ピースのイメージらしい鳴り方に感じましたよ。是非お試し下さいませ。

1ピースに特別なカラー、どちらも通常のオーダーでは受け付けていない仕様です。このギターが目に留まってしまった方、是非お見逃しなく。

(ノグ)